人はなぜ方向性を見失うのか
・選択肢が多すぎる
私たちはこれまでになく多くの選択肢を持つことになり、その数に圧倒されています。何が大事で何がそうでないかを見分けれれなくなっている。心理で「決断離れ」と呼ばれる状態です。選択の機会が増えすぎると、人は正しい決断ができなくなります。
・他人の意見がうるさすぎる
選択肢が増えただけでなく、他人からの口出しもあらゆる方向からやってくる時代です。繋がり過剰や情報過多などとよく言われますが、問題は他人からのプレッシャーが大きすぎることなのかもしれません。インターネットを通じて他人の意見がなだれ込み、私たちにああすべきこうすべきとうるさく指図してきます。
・欲張りの時代
「全部手に入れよう、全部やろう」という考え方は、世の中の隅々にまで浸透しています。テレべのCMはあらゆるものを手に入れろと叫び、会社の求人広告には「何でもできる人求む」という意味のことが書かれています。大学入試でさえ、たくさんの課外活動経験がある方が高く評価される。
「全部手に入れよう、全部やろう」とするうちに、私たちは知らず知らず何かを失っています。自分の時間とエネルギーをどこにそそぐか決められずにいるうちに、誰かが私たちのやるべきことを決めてしまう。そうして思考停止に陥り自分にとって何が大事なのか分からなくなるのです。
自分で選べない人は、他人の言いなりになるしかないのです。
クローゼット法
人生も仕事も、クローゼットと同じです。必要なものと不要なものを区別できなければ、どうでもいいことで埋め尽くされてしまう。捨てる仕組みを作らないかぎり、やることは際限なく積みあがっていくばかりです。
そうならないために、簡単にできるクローゼット法を紹介します。
1.評価する
「いつ着る可能性があるだろうか?」という考え方はやめましょう。
その代わりに、「大好きか」「すごく似合うか?」「しょっちゅう着るか」と考えます。
もし答えがノーなら、それは不要なものです。人生に置き換えると、こういう問いになる。「これをやったら、他の何よりも重要な成果が得れれるだろうか?」
2.捨てる
クローゼットの洋服を「いるもの」と「いらないもの」に分けたとしましょう。さて、「いらないもの」を今すぐ捨てる勇気があるでしょうか?
「やっぱり、もったいない」と感じるのも無理はない。心理学の研究によると、人はすでに持っているものを、実際よりも高く評価する傾向があると出ています。
そんな時は、こう考えてみましょう。「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」すると、知らず知らずのバイアスがかかっていたことに気づくはずです。人生や仕事においても、1番重要ではないと分かっているのに、なかなか捨てられないことがある、捨てるには、努力が必要なのです。
3.実行する
クローゼットを綺麗に保つには、日ごろから整理整頓できる仕組みが必要です。いらないものを入れるための特大サイズの袋を用意して、どうしても必要なもの以外はそこに入れましょう。
もちろん、ものごとはクローゼットのように単純ではありません。服は置いたところにとどまっていてくれますが、仕事や用事は勝手にどんどん増殖していきます。悲しいことに世の中はそんなことばかりです。
そこで、仕組化しましょう。つまり、いったんやるべきことを決めたら、それを無意識に実行できるようにしておくのです。クローゼットがあふれ返るまで放置してから苦労して片づけるのでは、すぐに嫌になる。
そうではなく、きれいになるしくみを日々の行動に組み込んで、散らかることを未然に防ぐのです。
・徹底的に準備する、見積もりは1.5倍で考える
・成果を生まない努力をやめる
・目指すことを明確にする
・ボトルネックを特定する
・邪魔なものを取り除く
ボトルネックを取り除くのは、それほど難しいことではありません。小さなことが、とても大きな結果につながるからです。山の上から石を転がすとき、最初の一押しを頑張れば後は自然に回りだすように。
小さな一歩を積み重ねる
「完璧をめざすよりまず終わらせろ」という言葉があります。これは別に品質を無視しろという意味ではない。粗末なことに気をとられず本質をやりとげろという意味です。
「早く小さく」始める
重要な目標や締め切りに向かうとき、2つのアプローチが考えられる。早く小さく始めるか、遅く大きく始めるかです。
「遅く大きく」というのは、最後の最後ですべてをやろうとすること。締め切り間際に本気を出して、徹夜で何とか終わらせる。一方「早く小さく」というのは、できるだけ早い時期に着手し、軽い負担で終わらせること。2週間前に10分間の準備をするだけで、締切前の負担がずいぶんと軽くなる。
自分が今抱えている目標や締切を思い浮かべて、「今すぐできる最小限の準備は何だろう?」と考えてみよう。
書籍
今回参考にしたのは「エッセンシャル思考」という本です。こちらの本にはより詳しく書かれているため、興味をもったら一度読んでみてください。おすすめ書籍の一つです!
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